HOME > FINLAND 100th

2017年、フィンランドは建国100周年を迎えます。100周年のテーマは「together/共に」
ルネ・デューではフィンランドデザインやブランド・文化などを紹介していきます。

Finlayson(フィンレイソン)は、母国フィンランドではどの家庭でも見られるほど信頼され広く愛される、フィンランド最古のテキスタイルブランドです。

1820年、まだロシアの統治下にあったフィンランドで、英国スコットランド出身のジェームス・フィンレイソンによって、フィンランド南西部に位置する地方都市「タンペレ」に自身の名前で紡績工場を設立したのがフィンレイソンの始まりです。工場内には、学校や図書室、教会なども作られ、タンペレはフィンランド最大の工業都市へと発展しました。1840年代には、フィンランド最大の工場にまで発展。フィンランドで最初に電気が使用されたのも、フィンレイソンの工場でした。
1951年にフィンランドで最も早く自社内にデザインスタジオを設立。それによって、オリジナルデザインが生まれる環境が整いブランドを代表するパターンが生まれていきました。何十年もの間親しまれている人気のクラシック柄と、そのシーズン毎のトレンドカラーやモチーフをとらえた魅力的な新柄によって豊富なバリエーションを構成しています。



▼PICKUP!

CORONNA コロナ

1958年、アイニ・ヴァーリによってデザインされたコロナ。当時は、洋服の生地として流通していました。幾何学的でシンプルだけれど、現実的なクラシックデザインです。「コロナ」の名前は、再生産の際にたけられたもので、デザイナー自身は「ジャズ」と呼んでいるそうです。
コロナをデザインしたアイニ・ヴァーリは、時代を超えフィンランドで最も優れたデザイナーの1人です。

※コロナの生地はコチラからご覧いただけます。

ELEFANTTI エレファンティ

子どものころ、近所の友だちの家に遊びに行った思い出を、かわいらしいソウで表現したテキスタイル。デザイナーのライナ・コスケラが1969年にフィンレイソンと産業デザイン協会による主催コンペに出品したエレファンティは1970年代・1980年代生まれのフィンランド人によって、子どものころからなじみのあるデザインです。2012年に製品化を再開し、日本でも展開され人気のデザインの一つです。

※エレファンティの生地はコチラからご覧いただけます。

現在、フィンレイソンのデザインスタジオは、ヘルシンキのフィンレイソン本社に移され、新しいデザインの制作を進めるとともにフィンレイソンの伝統を守ることに誇りを持ち様々なホームテキスタイルを展開しています。

▶ フィンレイソンの生地ラインナップはコチラからご覧いただけます。◀

フィンランドの夏至祭と沈まない太陽

夏の白夜は、フィンランドで最も象徴的な現象。 夜の太陽が、もっとも光り輝くのは、6月と7月。しかし、北へ行けば行くほど、太陽が地平線の上にとどまる期間が長いのです。フォンランドの最北部にあるラップランドという地域では、太陽が沈まない日が70日も続くそうです。
夜になってもほとんど昼間と同じように明るいので、普段日中にしていることはほとんど夜でもできます。この期間の昼と夜の違いは、日の光の性質が異なること。夜の太陽は、日の出と日の入りの時に見られるような赤みを帯びた黄色で、周りにあるすべての物を何とも言えないあたたかくで明るい色に包み込みます。日本で言う、夕焼けのような感じでしょうか。

なかでも、6月後半の夏の到来をお祝いするこの時期、フィンランドの重要な国民の祝日である「夏至祭」があります。1年で1番日の長い夏至をお祝いする週末は、都市部を離れサマーコテージでのんびりしながら友達や家族と過ごすのが一般的です。



夏至のころに咲くバーネットローズをモチーフにしたクッキア柄

STUDIOHILLA スタジオヒッラ / Kukkia クッキア

クッキアは、フィンランドで夏の始まりを知らせてくれる夏至の時期に咲くバーネットローズからインスピレーションを得てデザインされました。使われている色こそ少ないですが、楽しげで幸せな気持ちにしてくれます。
パッと明るく目に飛び込んでくるクッキアのパターンは、フィンランドの人たちが大好きな夏の季節にピッタリのテキスタイルです。

※クッキアの生地はコチラからご覧いただけます。

▼先週までにご紹介したブランド・文化

66年にわたって人々に愛され、3500もの図柄が今の暮らしに溶け込むブランド、マリメッコ。
フィンランドの美しい自然が生んだファブリックは、北欧を代表するブランドとして日本でも人気を呼んでいます。

マリメッコが誕生したのは1951年のこと。第2次世界大戦後、創始者のアルミ・ラティアは、夫の経営する会社でプリントした美しい布を使って女性のための新しい服を作ることを発案。明るい色彩で様々な柄が手刷りされたドレスは、当時の女性を熱狂させ、前代未聞の成功を収めました。アルミがやりたかったことは、「女性の新しい生き方・価値観を提案する」こと。現在でもその精神を受け継ぐマリメッコは世界中の女性を魅了してやみません。

マリメッコのアイコン的存在「Unikko / ウニッコ」

ケシの花が大胆にデフォルメされたデザインのウニッコ。マリメッコというブランド名は知らなくても、誰もが1度は見たことのある花柄ではないでしょうか。1964年の誕生以来、さまざまな商品に使用されたマリメッコを代表するテキスタイルです。カラーバリエーションも豊富に作られ、2000年代に再びヒットすると、フィンランド航空の機体に描かれ記念硬貨にもなりました。
ウニッコをデザインしたのは、マリメッコの伝説的な図案デザイナー、マイヤ・イソラ。ウニッコをデザインした当時、マリメッコには、自然の植物や花は、そのままで美しいとされ「花柄を作ること」はタブーとされていました。しかし、自分の仕事に制限を与えられていることに不満を感じたマイヤは、抗議の意味を込めて「ウニッコ」をデザインしたのです。

※ウニッコの商品はコチラからご覧いただけます。

▼マリメッコの人気柄

【 Puketti プケッティ 】

Annika Rimala(アニカ・リマラ)によって1965年にデザインされたプケッティ。
フィンランド語で「花束(ブーケ)」を意味します。名前の通り、小さな花がブーケの様に丸く集まったデザイン。配色も優しく、幅広い層に人気のあるテキスタイルです。ポーチなどの小物にしてもいいし、カーテンなど生地を大きく使っても絵になるデザインで、人々の日常に溶け込みます。
プケッティをデザインしたAnnika Rimala(アンニカ・リマラ)は、スッキリしたデザインでありながらユーモアにあふれたデザインが魅力でした。

※プケッティの生地はコチラからご覧いただけます。

【Puutarhurin Parhaat プータルフリンパルハート】

「庭師の最高傑作」という意味を持つテキスタイル。生地には様々な植物が所狭しと描かれています。
このテキスタイルの背景には、「エコと手仕事の楽しみ」というテーマがあります。手仕事の喜びと街の中心で植物がのびのび育つ音が、いまにも聞こえてきそうな様子を表しています。
同じテーマを背景に持つテキスタイルに、「シールトラプータルハ(市民菜園)」「ラシィマット(使い込まれたラグ)」があります。

※プータルフリンパルハートの生地はコチラからご覧いただけます。

時代とともに「斬新なデザイン」を生んできたマリマッコのファブリック。一番のこだわりは、美しい色。ムラしながらの印刷技術を受け継ぐマリメッコの自社工場では、マリメッコらしい発色のための試作や、新たな挑戦が今も続けられています。

▶ マリメッコの生地ラインナップはコチラからご覧いただけます。◀

コーヒーの国フィンランド

世界でもトップクラスのコーヒー消費国であるフィンランド。年間1人当たり約1100杯のコーヒーが飲まれているという統計があり、大人は一日に平均5〜6杯飲まれている計算になります。典型的なフィンランド人は、朝起きて、まず1杯。飲みながら仕事をして、休憩タイムに一服して、家に帰っても夕食後にもまた1杯。仕事でも家でも、ゆったりとした時間を大切にするフィンランド人のスタイルがこんな数字を生みだしているようです。また、フィンランドには、「kahvitauko(カフヴィタウコ)」と呼ばれるコーヒーブレイクがあります。コーヒーを飲んでも飲まなくても1日15分のグレイクタイムが法律で保障されています。

フィンランドのカフェでは、ビュッフェ形式で、自分でトレイにお菓子や食事をとり、コーヒーを淹れ、最後にまとめて会計をすませるセルフサービスが主流です。コーヒーと一緒に楽しむ甘いパンもかかせません。


kauniste(カウニステ)は2008年の夏、フィンランドのvallila地区に集まった若手のクリエイターたちによって設立された、ヘルシンキを拠点とするテキステイルブランド。 ブランド名はフィンランド語で「飾る(デコレーション)」を意味します。彼らが生み出す新鮮で現代的なデザインのアイデアに、伝統的なシルクスクリーンプリントの技法を組み合わせ、その二つが最も美しい部分をテキスタイルで表現しています。

所属デザイナーには、日本でもファンの多いマッティ・ピックヤムサやハンナ・コノラなどが在籍している。また、日本人画家のミロコマチコなどとのコラボレーションも積極的に行っている。

デザイン【 Sokeri ソケリ 】

フィンランド語で「砂糖」を意味するデザイン。優しい色合いで描かれたデザインは飽きが来ず、人気の高いデザインです。

デザイナー【 ハンナ・コノラ 】

フィンランドのヘルシンキを拠点に活動するイラストレーター。 ヘルシンキのアアルト大学でグラフィックデザインを学んだ後、東京の多摩美術大学、ベンゲル国立芸術学院でもデザインを学んでいます。彼女は、日々のありふれた出来事にも目を向け、遊び心と好奇心を持ち続けることを大切にしています。 作品ジャンルは多岐にわたり、東京・ソウル・ヘルシンキなど、さまざまなギャラリーやショップ、出版物の中で紹介されています。

※ソケリの生地はコチラからご覧いただけます。

ラウッタサーリデザイン【 Lauttasaari ラウッタサーリ 】

夏の間に渡り鳥としてフィンランドへやってきた野生のカオジロガンの群れを描いた作品。1色で描かれているにも関わらず、彼女の描く絵の特徴である「目」やダイナミックさを感じることができる。

デザイナー【 ミロコマチコ 】

大阪出身の画家・絵本作家。愛猫家であり、動物や植物を題材とした絵を得意としています。彼女が描く動物の目は独特であり、不思議な魅力を感じます。また、ダイナミックな絵が特徴で、手足の太さが違ったり、整った形ではないものの、その躍動感のある絵には人々を惹き込む力があります。

※ラウッタサーリの生地はコチラからご覧いただけます。

2008年設立とブランドとしては比較的新しいカウニステですが、すでに多くのファンがいるのも事実です。
大胆な色使いでありながら、親しみやすいデザインが魅力です。これから登場する新作などにも注目が高まります。

▶ カウニステの生地ラインナップはコチラからご覧いただけます。◀

フィンランドの文学【 MOOMIN(ムーミン)】

ムーミンは、フィンランドを象徴するものとして、一番、もしくはサンタクロースに次いで2番目に有名で人気のある存在。作家であり芸術家でもあるトーベ・ヤンソンが1940年代に創り出したフィンランド文学のキャラクター。フィンランドのナーンタリという街の小さな島に、ムーミンワールド(テーマパーク)があります。園内ではムーミン谷が忠実に再現されており、ムーミンを始めお馴染みのキャラクター達に合うことができます。

2014年には、トーベ・ヤンソンが生誕100周年を迎え、アニバーサリーイヤーとして世界中でムーミンのスペシャルなイベントが開催されました。今では、フィンランドのみならず世界中で愛されるムーミン。あなたも、ムーミンからフィンランドの文化をのぞいてみてはいかがですか?

ムーミンの生地をご紹介

【ムーミンパパの海】

家族で出かけた海で出会った風景や生き物たち、海辺でせっせと海の仕事をするママやムーミンの姿など、ムーミン一家の海の思い出を閉じ込めたテキスタイル。

【海のオーケストラ】

ムーミン本の世界観をテキスタイルで表現した大人のためのムーミンコレクション。「ムーミンパパの思い出」より海のオーケストラ号に乗ったムーミンパパたちが深海に潜った場面をダイナミックに表現したテキスタイルです。

【コミックムーミンパパ】

当時のコミックがよみがえったかのようなテキスタイル。生地の中にはムーミンパパがたくさん登場しています。お酒をもって木に登りひとり晩酌でしょうか…自由気ままなパパの様子が描かれています。


STUDIO HILLA(スタジオヒッラ)はフィンフィンランドを拠点に活動しているデザイナーグループ。 (現在は6名が所属)テキスタイルや外装、グラフィックデザインなどにおいて、さまざまなバックグラウンドや経験、独自のスタイルを持つ才能が集まっています。ユニークで飽きのこないデザインを想像する努力を惜しまない彼女たち。人々の暮らしに、喜びとあたたかさをもたらすデザインを想像すること、それが続くことを目指しています。

「Hilla(ヒッラ)」について

フィンランド北部の深い森ではぐくまれたヒミツの宝石「ヒッラ」。フィンランド語でクラウドベリーのことをさします。貴重で珍しく、ピュアでありカラフルなクラウドベリー「ヒッラ」はフィンランドの大自然を表現しています。ヒッラを見つけるには、少し時間をかけて歩く必要があります。でも、こんなにユニークなベリーを味わうことができれば、その努力は喜びへと変わるのです。

スタジオヒッラのロゴがオレンジ色なのは、喜びとあたたかさを表現しています。
また、それを実現するために、彼女たちも愛情をもってデザインしています。
スタジオヒッラの物語の中に入って、あなた自身の中に広がる大自然を見つけてください。

▶ スタジオヒッラの商品はコチラからご覧いただけます。◀

フィンランドの子育て支援

男女共同参画の先進国で女性のほとんどがフルタイムで働くフィンランド。 社会全体が子どもの誕生を歓迎し、切れ目のない、包み込むような子育て支援を行っています。産休や育児休暇が充実しているのもその結果です。 育児休暇は、父親母親どちらが取得しても良いことになっています。このほかにも出産に関して父親休暇があり、6〜30日まで父親は休暇を取ることができます。しかもその休暇取得率はなんと80%以上もあるのです。

また、フィンランドでは、出産の際にKELA(フィンランド社会保険庁事務所)から支給される母親手当があります。その中には「育児パッケージ」というものがあり、その中には1歳までに必要なベビー服やケアアイテム、親が使用するアイテムなど約50点が入っています。パッケージの箱は、赤ちゃんの最初のベッドとしても使え、箱のサイズに合わせたマットレスやベッドリネンも含まれています。この育児パッケージは、生まれてくる子供全員への社会からのわけ隔てない祝福と歓迎のシンボルなのです。